SOASTAブログ

新学期のEコマースレポートカード(成績表): リテーラーのパフォーマンス「スイートスポット」は、モバイル、デスクトップ共に2秒に


BTS-device-type

あるサイトにおける、パフォーマンスの「スイートスポット」(コンバージョンレートが最大値となるページロード時間)とは?

これはなかなか興味深い質問です。なぜなら答えはひとつではないからです。スイートスポットは日によって(さらに、その日の時刻によって)、さらに地域やサイトによって変化します。

私は、ここ数ヶ月間、この捉えることが難しい基準値を追求してきました。新学期のショッピングシーズンは、類似したサイト群を調査し、傾向を把握する上で、またとないチャンスでした。

アプローチ

ロード時間の変化が、リテールビジネスの指標にどんなインパクトを与えるかという点について、今年だけでなく、2014年についても把握したいと考えました。そこで、膨大なリアルユーザーデータを掘り下げ、以下の疑問への答えを導き出すことを決めました。

  • それぞれの年におけるピークコンバージョンレートは? 2014年と2015年の間でどのような変化があったか?
  • それぞれの年のピークコンバージョンと相関するロード時間は? 一年でどんな変化が生じたか?
  • それぞれの年におけるデバイスタイプ別のトラフィック量は?

当調査のため、新学期のショッピングで賑わう、Internet Retailer 200にランクされる12社のビーコンデータを(mPulse パフォーマンスモニタリングソリューションを介して)ロードしました。2014年と2015年のレイバー・デーまでの1ヶ月間(2014年8月1日~9月1日および2015年8月7日~9月7日)に焦点をあてました。

合計5億のユーザーセッションから65億のビーコンを取得したことになります。以下の調査結果は、この集計データに基づいたものです。

調査結果1: スマートフォンがリテールトラフィックを占有、わずか1年で2倍に

モバイルにおける変化が非常に素早く発生することは周知の通りですが、今回の結果には、私も仰天したことを認めざるを得ません。デスクトップ(青)からスマートフォン(緑)への移り変わりをご覧ください。2014年には、60%を超えるトラフィックは、デスクトップユーザーからもたらされたもので、スマートフォンは33%程度でした。たった1年後には、まったく同じサイトでも、65%のトラフィックがスマートフォンからもたらされ、デスクトップは25%となっています。

BTS-device-type

タブレット(オレンジ)からのトラフィックも6%から10%に増えています。これは確かに大きな数値ですが、スマートフォンによるショッピングに比べれば、決して突出したものとは言えません。

調査結果2: スマートフォンのピークコンバージョンレートが450%上昇

お客様がモバイルをより多く利用するようになっただけでなく、コンバージョンも昨年に比べ大きく上昇しています。2014年の調査対象サイトのピークコンバージョンは0.4%で、決して良い数値とは言えませんでした。しかしわずか12ヶ月後に、調査対象サイトのピークコンバージョンレートは、2.2%を超えるまでに上昇しています。つまり、2014年から2015年の間で、ピークコンバージョンレートが450%上昇したことになります。

以下のグラフは、その大きな変化を示したものです。金色の棒グラフは、ロード時間1~15秒のセッション数の分布を表しています。青い線は、これらのセッションにおけるコンバージョンを示しています。

conversions_2014_smartPhones_convSessions

conversions_2015_smartPhones_convSessions

調査結果3: スマートフォンユーザーのパフォーマンス「スイートスポット」が、6秒から2秒にシフト

2014年のパフォーマンススイートスポット(コンバージョンレートが最大値となるページロード時間)は、約6秒でしたが、2015年にはこれが2秒程度と、とても短くなっています。

この変化はユーザー期待値の新たな傾向を表すものかもしれません。つまり、モバイルユーザーはページがより早く表示されることを期待していると。しかし、トラフィックの分布を見ると、これらのサイトのオーナーが、訪問者に対して劇的に速くページを提供できるようになったことも評価すべきでしょう。2014年にはほとんどのページがロードに5~6秒を要していましたが、2015年には、ほとんどが2~3秒でロードできるようになりました。正に驚異的です。

調査結果4: デスクトップのパフォーマンス「スイートスポット」は、3秒から2秒に

本年8月のオンラインリテールは、2014年8月に比べ2.6%の伸びを示し、非常に堅調でした。このため、今回の調査対象の企業の平均ピークコンバージョンレートが、2014年の1.3%から2015年には1.8%にまで上昇したのも不思議ではありません。また、デスクトップのスイートスポットが、2014年の3秒から、2015年に2秒に変化したことも驚きではありません。

conversions_2014_convSessions

conversions_2015_convSessions

しかし残念なことに、黄色い棒グラフで示したトラフィックの多くの部分は、ページロードが2秒よりも遅くなっています。黄色い棒グラフが青い線の下側にぴたりと収まる形が理想的です。

調査結果5: 2015年、「パフォーマンス貧窮ライン」は、デスクトップとモバイル双方でより早まる

コンバージョンレートが、パフォーマンスのピーク後に急速に落ち込み、平坦に変わる点を、「パフォーマンス貧窮ライン」と定義しています。2014年のコンバージョンレートは、モバイルとデスクトップ共に、ピーク後緩やかに低下しています。2015年になると、コンバージョンはピーク後、急速に落ち込んでいます。いずれのデバイスタイプでも、パフォーマンス貧窮ラインは、4秒から6秒程度となっています。

まとめ

2,000人以上の保護者を対象にしたHarrisの調査によれば、新学期の準備をするためのオンラインショッピングで、もっともフラストレーションを感じるのは以下の項目です。

BTS-frustrations

セキュリティがトップに上げられていることには驚かないまでも、ロード時間やクラッシュがこれに肩を並べようとしています。12のトップリテーラーの実ユーザーデータから、ロード時間とコンバージョンレートに、強い相関関係が見られます。単純に言えば、速いページの方が遅いページよりも優れていると。また、調査結果により分かったことは、ユーザーの期待値は絶えず進化しており、それに追いつくためにサイトも進化し続けなければならないということです。2016年の数字を見るのが今から楽しみです。

[写真: Brian J. Matis, CC]

14日間無料トライアル。今すぐ登録!

関連ポスト:

 

 

 


Tammy Everts

著者について

Tammy Everts

Tammy has spent the past two decades obsessed with the many factors that go into creating the best possible user experience. As a senior researcher and evangelist at SOASTA, she researches the technical, business, and human aspects of web/application performance shares her findings via countless blog posts, presentations, case studies, articles, and reports.

@tameverts